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京・月待庵祇園店


「縁側〜庭の再定義」

敷地は京都祇園、南座から東へ徒歩1分のまさに祇園の中心部。そこに豆せんべいを販売する物販店を設計する。テナントは八坂神社へ通じる商店街に面し、人の往来は多い。そこで店内の中央を「庭」と見立て商店街との接続を図る。幸いにも既存建物の土間は石張りとなっていたため、そこを「庭」とし、その両サイドを「縁側」として見立てることで庭を回遊し、縁側に並べられた商品を買いに来るような体験を客にもたらす。さらに階高が3.4mであったため「縁側」の庇をそれぞれ伸ばし重層させることでより空間を複雑化させ間接照明によりダイナミックさを演出する。通常、縁側→庭という内部→外部というアプローチを反転させ、内部ではありながらも庭→縁側という外部→内部という反転構造をもたせることで10坪ながらも訪れる人々に対しては違和感を生み出す妙味を含んだ空間が完成する。

垂木を4段重ねとし隙間には間接照明を仕込む。庇は2段構えとし手前の縁側1はCH=2,240〜3,400とし、奥にある縁側2をCH=1,850〜2,150と低く抑えることで、小さな空間でも高さ方向にメリハリを与える。

京・月待庵祇園店

Architect : Hirai Ryosuke
Client : 株式会社京・月待庵
Built : December,2019
Location : Kyoto
Web : https://www.kyo-tsukimachian.com/
Photographer : Ohtake Yosuke

Work