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d’or


「契機的デ・スティルと視線の操作」

京都祇園にあるアラカルトフレンチ。ファサードはデ・スティル期の名作カフェ・デ・ユニをオマージュした建築。墨モルタル、木製ルーバー、フレキシブルボード、ガルバリウム鋼板の4種の素材を用いた「L型」を構成的に組み上げる。階数を横断した「L型」は視覚的なズレを生み間隙が開口部として生まれ、店内へと人はいざなわれる。そして内部へ進むと奥へは視線は抜けない。通常京都の町家は間口が狭く奥行きのあるいわゆるうなぎの寝床が多い。通り庭により奥へと視線が行きがちな構成を、店の間に吹抜けを設け、さらに1200mm×4700mmの大テーブルを中央へ鎮座させることで視線は奥へ抜けずに滞留する。2階との手摺壁の一部を手摺子とし唯一の抜けを設けることで、2階へ向かう期待感と特別感を演出させる。

d’or

Architect : Hirai Ryosuke  Nagata Yuichiro
Client : Sakane Takafumi
Built : March,2021
Location : Kyoto
Web : __dor__kyoto__
Photographer : Yasugi Kazuoki

Work