「街の動線との共存」
敷地は京都市のメインストリートの一つである烏丸通りから一本外れた路地の角地にありながらも、人通りの多い北側の姉小路通りからは駐車場を介して建物が視認できるような場所である。本場イタリアのバールマンに憧れてバリスタの道を志したオーナー。小さい頃から慣れ親しんだこの場所で、街と人、人と人を繋ぐ場所を作りたいという思いから、「街の動線との共存」をコンセプトに計画した。
店舗北側は通りからの視認性を意識し、外壁に補強を入れつつ新たに開口を設け、大枠三連引き戸の木製建具を設置した。店の入口となる西側は制作寸法最大の4枚折れ戸を設置した。それぞれの建具をフルオープンにすれば角地の敷地特性を活かした通りとの一体感が生まれる。素焼きレンガタイルが印象的な曲面のカウンターは角の通りから来る人を迎えるような配置とした。
珈琲ガラを混ぜた漆喰壁、真鍮の照明、人造石研ぎ出しの天板等、温かみのある素材は古い町家とも親和性がある。他愛もない話をしながら珈琲を楽しむ間、カウンターを囲む人達がその場に溶け込んでいくかような安心感を得られる事を期待している。
Architect : Nagata Yuichiro
Client : Okaffe Kyoto
Built : 2024
Location : kyoto
Photoshop : Yasugi Kazuoki