「テルマエ的サウナ空間」
古代ローマ時代、社会生活の中心の1つとして交流の場となっていた公衆浴場テルマエ。貧富の差を問わず誰もが飲食、運動、読書などの議論ができる場所であった。現トルコにあるパムッカレもその一つで、このパムッカレは石灰華段丘と呼ばれ、温泉に含まれている炭酸カルシウムが堆積した石灰棚に温泉が湧いている。
ところで今回設計する店舗改修計画において、テナントビルの特徴として段々に床が構成されているスキップフロアがある。このスキップフロアをパムッカレに見立て、テルマエにおける自由な場所をこのSAUNAで実現する。1階では人が立ち1.6mの視線、1.5階では床に座り0.6mの視線と椅子に座る1.0mの視線があり、ワンフロアの店舗では感じられない上下斜め方向の視線が交差するように席を設けることで、空間の奥行きや繋がりが生まれる設計を行なった。
Architect : Hirai Ryosuke Nagata Yuichiro
Client : 横田 泰司
Built : April,2023
Location : Kyoto
Web : SAUNA
Photographer : Yasugi Kazuoki