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コバヤシ産業ショールーム


「三次元的空間ブリコラージュ」

フランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースは著書「野生の思考」の中で、ブリコラージュ(bri-colage)と言う造語を作った。彼は構造主義的に社会を捉える中で、人間の本来の姿として「ありあわせの道具材料を用いて自分の手でものを作る」と定義しブリコルール(bri-coleur)とも呼んだ。
 ところでコバヤシ産業は「モノづくりの悉皆屋」という理念を掲げているが、この悉皆屋という役割を改めて考えてみる。顧客の要望を汲み取り長年培ってきた素材に対する知識、積み重ねてきたノウハウ、そして確かな技術力を持つメーカーと構築したネットワークを「ブリコラージュ」させている他ならないのではないだろうか。このショールームでは各部仕上げが固定されずに入れ替え可能とし、今あるありあわせの素材を「ブリコラージュ」させて顧客に提案をすることができる。さらに空間をモジュール化することにより、「壁面−2次元」にとどまらず「空間−3次元」全体での商品提案を行えるよう計画をした。まさに悉皆屋のなせる「三次元的空間ブリコラージュ」が施されてたショールームとなるのだ。

コバヤシ産業ショールーム

Architect : Hirai Ryosuke Nagata Yuichiro
Client : コバヤシ産業株式会社
Built : May,2023
Location : Kyoto
Web : https://kobayashi-ind.com/

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