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天下一品山科店

 

「ネオノスタルジーなラーメン店」

不朽の名作で知られる映画ブレードランナー。この映画で描かれた世界観は1982年当時、監督のリドリー・スコットが東京を訪れた際に見た猥雑できらびやかな夜の新宿歌舞伎町を基にしたと言われている。この猥雑できらびやかな世界は現在の東南アジアにも見られ、どこかネオノスタルジックな様相に魅了される。

 

東南アジアにおける様子

 

そこで京都というある種、一辺倒な和の世界の中にあえてこのネオノスタルジーを差し込む。あえて土、漆喰、木などの「温かみ」のある素材から乖離し、鉄、石、コンクリートのような「冷たさ」を演出することで逆説的に内部での人の活気やエネルギーが熱量となり、空間を「熱く」させる。今の世の中に足りないのはそのような人びとがエネルギッシュに振る舞える「熱い」空間となる。

 

バラックの中に現れる屋台をイメージし、セメント板やコンクリートブロックに加え、トタンや木板、行灯、提灯を組み合わせた。

 

スパイラルダクトの中に照明器具を仕込み、無骨な様相とした。

 

 

既存の赤色の柱をピンポイントで残し、歴史のレイヤーを表現。

 

京都タワーが建設当初、京都に受け入れられなかったが今はシンボルのように京都駅で出迎えてくれるように、挑戦的に異物を差し込もうとも、時間が経つにつれ、その異物は周辺に馴染んでいくのである。

 

 

天下一品山科店

Architect : Hirai Ryosuke
Client : 天下一品食品商事
Built : 2019
Location : kyoto

Photoshop : Yasugi Kazuoki

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