「内臓主義の家具デザイン」
内臓主義 (bowellism) という言葉がある。建築家リチャード・ロ ジャースがポンピドゥー・センターを設計した際に、通常隠蔽すべきである水道や電気、空調のダクト配管をすべて表に出し、逆に意匠として魅せたことにより生まれた言葉だ。機械のような工業製品にはそ れら既製モジュールから構成された一つの美学がある。施主はデイ トレーダーであり、PC を最低5台設置し足元には何も置かずディスプレイも5台欲しいというのが要望だった。その解として壁から PC 本体を持ち出した。壁から持ち出す PC 架台から設計し、無骨なある種、内臓主義的デザインを施すことにより、住空間の中にメリハリが生まれ、新たな空間の ” 質 ” を提供できるのではないだろうか。
Architect : Hirai Ryosuke
Built : September,2018
Location : Hyogo
Furniture : ComfortQ
Photographer : Yasugi Kazuoki